2021年版ものづくり白書
2021年5月28日、政府の閣議決定を経て「ものづくり白書」が刊行されました。同白書では、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に伴い、サプライチェーンのリスクとなる「不確実性」が高まる中で、我が国製造業の生き残り戦略に資する動向を「レジリエンス」(サプライチェーン強靭化)、「グリーン」(カーボンニュートラル)、「デジタル」の3つの観点から分析しています。今回は、その中から第1章第2節より一部抜粋してご紹介いたします。
サプライチェーンの強靭化と
オールハザード型のBCP
-レジリエンス-
- 新型コロナウイルス感染症の感染は、自然災害のような局所的被害ではなく、世界全体に拡大。調達、物流などのサプライチェーンに支障をきたし、供給面にも影響を与えた。
- 今後も世界的な「不確実性」の高まりが想定される中、自社の被害想定だけでなく、サプライチェーン全体を俯瞰した上で、危機の内容の違いに左右されずに事業を着実に継続していくことを目的とした「オールハザード型」のBCP策定も必要。
Q. 新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえ、あなたの会社において
今後想定される取り組みとして当てはまるものをお答えください。 (n=722)
実施・導入済み
- 1位オンライン会議システム49.0%
- 2位社給携帯の配布等39.9%
- 3位テレワーク36.4%
2~3年以内に実施・導入を予定
- 1位社内手続の電子化15.9%
- 2位電子契約15.5%
- 3位情報セキュリティの強化14.8%
実施・導入したいが、計画は未定
- 1位電子契約29.2%
- 2位社内手続の電子化27.0%
- 3位ネットワーク環境の増強25.6%
戦略的なDX投資に向けた対応
-デジタル-
- 製造事業者において、効率的かつ戦略的なDX投資を進めるためには、自社がバリューチェーン上で担っている役割(営業、設計開発、製造・・・)などを的確に把握した上で、各業務領域ごとに独立しているITソリューションが連携されることが重要である。
- 営業・マーケティング領域では、SFAやMAといったシステムが有する情報を有機的に紐づけ相互に補完することが、効率的な営業・マーケティングの実現のためには重要。このような観点から、顧客情報を統合管理するための顧客情報管理システム(CRM)の導入が進められている。さらに、販売・アフターサービス領域で得られた顧客情報をCRMに連携させることで、アフターサービスの質の向上や、顧客情報の設計へのフィードバックによる顧客ニーズの効率的な反映が期待される。
事例67
テクニカルサポート運用支援事例
専門性の高いテクニカルサポートも、早期に安定運用を実現!
BPO実績にもとづく業務再設計と効率化で、顧客満足度もUP
クライアント企業プロフィール
- 事業内容
- ECシステム開発・販売
- 従業員数
- 約400人(連結)
背景
- クライアントの注力事業の急成長に伴い、テクニカルサポートの業務安定化が急務となっていた。
- 顧客からの問合せ内容の専門性が極めて高いため、システムエンジニアが対応することも多く、アウトソーシングは難しいと思われていた。
成果
- 受電率が70%弱→95%強に。
- クライアント従業員は、新機能の開発や新規事業の創出など中長期視点での取り組みに注力。