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ComComMagazine

Vol.90 2023年6月発行

2023年版中小企業白書・小規模企業白書

2023年4月28日、中小企業庁は中小企業・小規模事業者の動向に加え、変革の好機を捉えて成長を遂げるために必要な取組等について分析を行い、「中小企業白書・小規模企業白書」として取りまとめました。今回は同白書の概要から、「中小企業・小規模事業者の共通基盤」と「成長に向けた価値創出の実現」について一部を抜粋してご紹介します。

共通基盤としてのデジタル化

  • デジタル人材の確保・育成に向けては、求めるスキルや人材像を明確化することが重要である。また、高度なスキルを持つデジタル人材がいなくても、デジタル化を進展させることは可能である。

(1)取組の実施数別に見た、人材の確保状況

デジタル人材の確保・育成に向けた取組例
①デジタル人材が必要となっている自社の経営上の課題や、会社の方針を定める経営理念を見つめ直している
②デジタル人材が必要となっている業務を見つめ直し、人材確保の対応策を考えている
③求めるスキルや人材像(求人像)を明確化し、その確保に最適な方法を検討している
④外部からの求人・採用や、内部からの登用・育成など、実際に人材の確保を開始している
⑤確保した人材が活躍・定着できるように、フォローアップ体制や勤務環境の整備を行っている

(注)

Ⅰ.(1)におけるデジタル人材とは、デジタル化の戦略を推進する人材を指す。

Ⅱ.(1)における取り組んでいる個数の分類は、「デジタル人材の確保・育成に向けた取組例」の取組を実施している個数で分類している。

Ⅲ.(2)におけるデジタル人材とは、デジタル化の技術を担う人材を指す。

(2)デジタル化の取組段階別に見た、
デジタル人材のスキルレベル

(注)ここでいう取組段階とは、以下の状態を指す。


段階1:紙や口頭による業務が中心で、デジタル化が図られていない状態

段階2:アナログな状況からデジタルツールを利用した業務環境に移行している状態

段階3:デジタル化による業務効率化やデータ分析に取り組んでいる状態

段階4:デジタル化によるビジネスモデルの変革や競争力強化に取り組んでいる状態

資料:(株)野村総合研究所「地域における中小企業のデジタル化及び社会課題解決に向けた取組等に関する調査」(2022年12月)

成長に向けた価値創出の実現(M&A)

  • M&Aにおいて、買い手としては「相手先従業員等からの理解が得られるか不安がある」ことが大きな障壁となる。(3)
  • 組織・文化の融合といった経営統合(PMI)に取り組むことが重要で、PMIに早期に取り組んだ企業ほどM&Aで期待以上の成果を実感している。 (4)

(3)買い手企業におけるM&Aの障壁(上位5つ)

(4)経営統合(PMI)の検討開始時期別に見た、
M&Aに対する評価

資料:(株)帝国データバンク「中小企業の事業承継・M&Aに関する調査」(2022年12月)

事例90

BPO導入へ向けた業務調査事例

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クライアント企業プロフィール

事業内容
ソフトウェアの販売
従業員数
約1,300人

背景

  • ライセンス更新業務の安定運用のため業務委託を検討していたが、社内で知見がなく、どの範囲を委託すれば良いかが不明確だった
  • 部署の高齢化と業務の属人化が進んでおり、将来的な人的リソース不足が懸念されていた

支援内容

成果

  • 業務委託前に業務調査を実施することで、段階的に課題を解決しながら運用を実現
  • 顧客別の特別対応による工数増加等の課題に対し、初心者用の手順書やFAQを作成することで新人教育が可能になり、業務の属人化と人的リソース不足解決へ寄与
  • 評価基準を導入しヒューマンエラーの発生率の低下へ繋げ業務の安定運用を実現